ひろしまのまちづくりの動き
○今年 2 月に発足した「被服支廠を未来に活かす会」が活動第 1 弾として 7 月 19 日(日)にイベント開催しました。戦時中の被服支廠の様子を語る切明千恵子さんの証言、峠三吉の詩「倉庫の記録」の朗読、全棟を 200 分の 1 の縮尺で再現した木製の貯金箱のお披露目などを行いました。
○「旧被服支廠の保全を願う懇談会」は 7 月 24 日(金)に講演会と国への保存の働きかけの報告を実施。講演会は出原恵三氏(戦争遺跡保存全国ネットワーク共同代表)が「広島被服支廠倉庫を世界遺産に~戦争遺跡の保存と活用~」と題して、沖縄や高知での戦争遺跡を保存するための市民運動を具体的に紹介しました。
自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟事務局長平口洋氏(広島 2 区)が登壇し、厚労大臣に被服支廠の保存案を提示したことを報告しました。
○6 月 30 日より月 2 回、1 時間程度、広島の有志が旧陸軍被服支廠を題材としたラジオ番組「Hihukusyo ラジオ」をインターネット配信しています。被服支廠への関心を広げるため、被服支廠の歴史やゆかりのある人たちを紹介します。
○上記「Hihukusyo ラジオ」のメンバーの一人も参加している市民グループ「旧広島陸軍被服支廠倉庫の保存・活用キャンペーン」は、インターネット上で4万4千人余(8 月末現在)の署名を集めています。更に 8 月 4 日以降、ビデオ会議システムを使って建物の外観や歴史などを解説し、参加者同士で建物の活用策などを議論するオンラインイベントを数回実施しました。
○自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟(会長:河村建夫元官房長官)のメンバーは 7 月 31 日に湯崎広島県知事に会い、全 4 棟のうち相当数を残すように要請。8 月 6 日には加藤厚労相が被服支廠を視察し、「県の検討を踏まえて協力する」と表明されました。
○「原爆・反戦詩を朗読する市民のつどい」が 8 月 15 日、被服支廠で開催され、峠三吉の「倉庫の記録」や栗原貞子の「ヒロシマというとき」などを朗読。主催は市民団体「広島文学資料保全の会」で 2002 年から毎年終戦記念日に朗読会を開き、今年初めて被服支廠を舞台に行われました。
○9 月 4 日、広島県から建物強度の再調査を行い、保存費用の大幅な削減の可能性を示唆。有識者会議を設け、保存方法、被爆建物としての価値、文化財指定の可能性などについて年内に提言を受け、年度内に結論を出す予定。そのための必要な費用を補正予算として 9 月県議会に提出しました。

第49号(令和2年9月15日)